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ラブリー

第5章 la vie en rose〜愛しきバラ色の人生〜



実はわかってたんだ。


さっきの“もっと”の意味。


水じゃなくて、口移しの…口…キス…だよね?

意地悪したんじゃない。

ちゃんと沢山水を飲んで欲しかったから。

恨めしそうに一瞥したら布団を被ってしまったにののご機嫌をとる。

「にのぉ。」

「なによ。」

「こっち向いて。」

「…」

動かないならこっちが動くまでよ。

にのの上に覆いかぶさって右から左から顔をまさぐる。

おかしくて笑い出したにのの唇めがけてキス。

「んーっ!」

「んふ。」

じゃれて布団から見え隠れするのを追いかけて。

「もっと!もっと!」

俺が“もっと”したいんだからね。

ちゃんと顔を出したにのが俺を見る。


好きだなぁ。


「なんだよ?」

「んー?

好きだ、って思って。」

「…ばか。」


ほんと。

ばかみたいに好きだよ。


思いを込めてキスをした。



俺のこのバラ色の人生。



にのとのこんな時間を手に入れた俺は無敵だ。



ね、にのもでしょ?



end.

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