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ラブリー

第6章 シリウス



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ガヤガヤ


オーダーを取りに行く店員さんの元気な声。

皿やグラスのカチャと鳴る音。

気の合う友人、同僚と思わしき人たちの楽しそうな笑い声。



個室のあるところでもよかったんだけど普通の居酒屋にした夜。

そのくらいかしこまらなくていい昔っからの友人。

事務所の昔からの仲間のこいつは今裏方の仕事をやっていて。

一緒に踊ったりしていたJr.の頃が懐かしい。

特にデビューへのこだわりもなくバックを仕切ったり振り付けをやったりしてたら、だんだん構成や舞台のセットや照明に凝りだして今じゃすっかりいろんなことを任されている。

俺たちのツアーについてくれるとすごく頼りになるし単純に嬉しい。

「お前も出世したよなー。」

こいつに会うたびに定番のひとことを放つと返ってくるのも決まってて。

「お前には言われたくない。でもお前もよく頑張ったよ。」

鳴かず飛ばずの時代を知ってるからね。

しみじみお互いを褒める。

苦労だか苦難だかいろんなことを抱えて。

挫折も試練も味わった。

乗り越えてきたものや、置いてきたもの。

いろいろあっての今がある。

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