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ラブリー

第6章 シリウス



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“にの”







呼ばれた気がして振り返る。

そこに姿はあるんだけど。

呼ばれてはいない。

潤くんときゃっきゃ話してるのを横目で見た。

着てきた私服が被ったとかなんとか。

インナーでよかった、帰りも上着脱ぐなよ、って。



今日こそ言ってやる。

そう思ったのは実は今日だけじゃなかった。

こないだも言おうと思ってたけど言えなかったんだ。

恨めしそうになってる顔を引っ込めて手持ち無沙汰にテーブルの上に置かれてた雑誌を掴んだ。

パラパラと捲っていたら、影ができた気がして顔を上げると相葉くんが立ってる。

「…にの、食べる?」

手には差し入れらしき有名どころのたい焼き。

「一個はムリ。」

「わかってる。かじって?」

俺はキョロキョロと目だけを動かして誰も気にしてないな、と周りを確認する。

「あーん?」

言われるままに口を開けた。

前はなんてことなくやってのけてた、こんなことが恥ずかしいだなんて。

「おいしい?」

「うん。」

「ね、おいしいね。」

疲れてたのか甘すぎないあんがおいしい。

俺のかじったあとをパクつくこの人を見て嬉しくなった。

久しぶりだ、こんなの。

「はい。」

また差し出されたそれを食べる。

そんな俺たちを翔ちゃんが微笑ましく見ているなんて知らずに。




💙❤💚💛💜

ピックアップ…ありがとうございますm(_ _)m

気づいていませんでした。
(ありがとうございます!しーまさんLOVE❤️)

これからも精進します…^ ^

たいしたものは書けませんが胸キュンしてくれる方がいたら…少しの時間ほんわか、ほっこりなっていただけたらうれしいです。

2018.2.22 ミント。

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