ラブリー
第1章 いとしいひと
アラームの音がして目を開けようとしたら手のひらに覆われた。
この手。
そっと手に手を重ねたら…
あたり。
ぷにぷにしたその手を触ってみると、いつもの柔らかい笑い声。
「んふふ。」
顔を向けると俺の瞼を覆ってた手で優しく髪を撫でる。
そこには俺の大好きな子。
「…にの。」
「寝てたね。」
可愛い微笑みで俺を見てる。
ソファの後ろにいたにのをグイッと手を引いて座らせる。
「ね、相葉くん。
今日、相葉くんち行っていい?」
「ごめん。今から飲み会だ。」
一瞬、翳った表情。
すぐにヘラリ笑って誤魔化すいつものクセ。
「あ、そっか。じゃあまた…ね。」
立ち上がろうとしたにのの手をまた取って膝にポスンと落とす。
唇を奪うと、ぎゃあぎゃあ言って可愛い手で俺を押した。