
ラブリー
第1章 いとしいひと
にのは目をまん丸にして俺を見た。
遠くに…
感じてしまったのはお前だけじゃない。
俺もそうだったよ?
にのの気持ちを勝手に読みすぎかな。
でもね、俺はにのの気持ちを計って探って、そう感じたの。
いままでそんなの思ったことなかったのに、にのを遠くに感じた。
感じたというより、イメージしてしまったのかなぁ。
遠くにいったらどうしようって。
すごく怖かったんだ。
さっき、
にのの携帯が繋がらないことも、
帰った家に、にのがいなかったことも、
とてつもなく不安で寂しくて。
世の中の音が消えた感じ。
