ラブリー
第1章 いとしいひと
にのが俺の唇を長く深く求めてくれて俺もそれに応えて。
いつもより積極的なその行為に何故だか胸が苦しくなった。
にの?
俺を遠くに感じてしまった?
寂しいと言わないまま我慢しすぎて…
自分ではわからない?
にののどことなく必死な、縋りつくような素ぶりを目の当たりにして俺は俺で焦る。
気持ちが追いつかないみたいな、その行為。
俺にしがみつく手も、求めて止まないキスも。
そのいつもと違う気がするにのに俺だってこんなに胸が苦しいほど想ってることを伝えたい。
俺の気持ちも愛情も見せてあげたい。
ひとつ残らず全部注ぎたい。
今すぐ、お前を安心させたいんだ。
「にの?
俺の心を見せてあげたい。
恥ずかしいくらい、
にので…
いっぱい…だよ?」