ラブリー
第2章 sly
side a
「…ぁ……」
僅かな声が漏れた深い夜。
てっぺん越えたあたりの静かな部屋。
かすかに時計の秒針の進む音が聴こえる。
そんなシンとした部屋に小さくこだまする切羽詰まった声。
「…ん…っ…」
いつも胸が苦しくなる。
この声を聞きたいような、聞きたくないような。
動くのをためらってたら下から突かれて思わず俺の声が出て…。
「ぅ…っ……」
更にぐりんとまわすから、もう堪んない。
「…にの…
やめ…ろ…。」
意地悪な目線をよこしてきて口元も笑みを浮かべてる。
やめる気はさらさらないみたい。
じゃあ俺も。
ズンと押し込めばずっと我慢してたはずの声は高く甘く響いた。
「あっ!あぁっ……」