ラブリー
第2章 sly
「もったいない…
って、バカ!」
「だって…そう思うん…
…だもん。」
にのは身体を倒してきて俺に抱きつく時に少し角度が変わったのを感じたみたいで、
はぁ…、と声を出した。
そのため息とも吐息とも言えるものを溢す唇を俺のそれに重ねる。
俺はにののキスが好きだ。
ビリリと痺れる刺激的なキスもするけど、だいたい甘い柔らかいキス。
唇でも舌でも可愛がられて頭も心も身体も囚われてしまう。
キスに夢中になって他のことは、どうでもよくなる。
今日もそのキスに翻弄されて息が上がるほど。
キスの合間ににのが言う。
「相葉くん…
こんな顔よそで見せないでよ…」
「こんな顔…って?」
「とけちゃいそうな顔。」
「…とけちゃいそうなことをされるから…
…ね…」
俺の言葉に、んふふ、と笑ってもう一度、唇で口を塞がれた。