
ラブリー
第2章 sly
side n
相葉くんがなんか変。
なんか隠してる。
俺は問いただしたい気持ちがあるのに聞けずにいた。
だって…
よくない話の気がするから。
好きな人がいるんじゃないか?
彼女ができたのかな…って。
今までだって彼女はいた。
たぶん全部知ってる。
皮肉な話だ。
でもな。
なんか状況が?環境が?違うって思う。
若かったし。
考えなしにノリで付き合ったりとかさ。
そういうのは、なんとか目をつぶっていられた。
目をつぶって…なんていうと偉そうだな。
気にしないでいられた。
いられた…も違う。
気にしないでいるように努めることができた…かな、
しっくりくる言葉を当てはめると。
彼女くらいいて当たり前だし、俺だって彼女という人がいなくもなかった。
でも若い頃はともかく…今はなぁ。
自分の感情の持っていき方が難しい。
大人になった分、感情のコントロールもできそうなものの。
今までみたいに、ま、いっか!とはなれない。
歳だけの話じゃない。
それだけの年季があるから。
俺と相葉くんの。
