ラブリー
第1章 いとしいひと
飲み会に参加して、ちゃんと楽しいお酒にして人間関係も大事にできたつもり。
キリのいいところでお開きとなったからタクシーを捕まえて大急ぎでにのんちに向かう。
飲み会に行く前に、にのに言ったんだ。
「遅くなるかもしれないけど終わったら行くから。」
そしたらあいつはこう言った。
「無理しなくていいよ。」
無理…か。
思ったより早く終わったし全然大丈夫だ、って、にのにメッセージを送る。
『終わった!今向かってるよ。』
いつまで経っても既読がつかないから、お風呂かな、テレビでも観てて気づいてないの、なんて思いながら窓の景色を見た。
にのの顔を思い浮かべながら瞼を閉じてシートに片頬つけた。