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ネットに落ちてた怖い話

第58章 折り詰め

「今日でお店終わり。あなたが最後のお客さん。ひいきにしてくれてありがとう。これ、おみやげ」

と、折詰めを二つくれた。

俺は何と言っていいかわかんなかったけど

「とても残念です。おみやげ、ありがたく頂戴します。お疲れさまでした」

と挨拶して店を出たんだ。


折詰めの中を見たら、餃子やら春巻やら唐揚げやらが、みっしりと詰まってる。

ちょっと一人じゃ食べきれないボリューム。

面白い体験だな。得しちゃったな。と、楽しくなってさ。

帰り道、友人に電話して、経緯を話してから

「今、俺んとこに来たら、中華オードブルがたらふく食えるぜ」

と誘ったんだよ。

すると、友人は変な事を言うんだ。

「その折詰めの中身、食ったのか?」

「食ってないよ」

「いいか、絶対食うな。それから、絶対アパートに戻るな。そうだな、駅前のコンビニに行け。車で迎えに行ってやるから」

「どういう事が全然わかんないんだけど」

「説明は後だ。人のいるところが安全だ。コンビニに着いたら電話くれ」

とにかく俺はコンビニに向かったよ。で、友人に電話した。

「着いたよ」

「こっちももうすぐ着く。誰かに後を付けられたりしてないか」

「えーと、お前大丈夫か?」

「それはこっちの台詞だな」

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