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ネットに落ちてた怖い話

第58章 折り詰め

以前、中華屋で折詰めを貰ったものです。

九月も中頃を過ぎて、さすがに実家に居づらくなったのでアパートに戻ってみた。

晩飯にコンビニ弁当を食っていると、お隣の人が来たんだ。ちょっといいかな、って感じて。

「もう、大丈夫なのか」

って聞かれたんで、すごくびっくりした。

え?なんで知ってんの?

でも、お隣の人が続けた話にもっとびっくりした。

「夜中にガラの悪い男が、あんたの部屋のドアやら壁やらをガンガン蹴ってたんだよ。借金かなんかでヤクザとトラブったのかと思った。しばらくあんたの顔も見なかったし。でも、あんたも戻ってきたんだしね。詮索はしないよ」

帰ろうとするお隣の人を引き止めて聞いた。

「それはいつ頃のことですか」

「八月の終わり頃と、先週くらいかな。先週のは、しつこく蹴ってたから、警察呼ぶぞ、っていってやったら、すぐ引き上げたみたいだな。……もしかして、知らなかった?」

俺が半笑いな感じで頷いたら、お隣の人は無言で出ていった。

俺も即、部屋をでた。


それから、カプセルホテルとかを転々としてる。

実家にまた戻るのいいんだろうけど、よくわからない災いをもたらしそうで、正直怖い。

とにかく、消息不明の友人に話を聞くのが解決の近道と、学校の知人と連絡を取り合ってるが、いまだ音信不通。

どうしよう。

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