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ネットに落ちてた怖い話

第58章 折り詰め

本当の最後として。

俺が消息不明の友人と何とか連絡を取ろうとしていた時、頼りにしていた奴がいた。

そいつは、友人と古くからの付き合いで、そいつならば、友人の居場所の見当もつくんじゃないか、俺はそう思ってた。

アパートから二度目の逃亡で、カプセルホテルに滞在中、そいつから携帯に電話があった。

「お前に嘘をついていたことを、まずは謝る。

実は俺はお前から友人のことを問われた時には、友人が自殺したことを知っていた。車庫で首を吊っていたそうだ。

通夜の晩、俺は親御さんから呼ばれて、別室で話をした。
親御さんは、自殺する理由がどうしてもわからない、とおっしゃる。俺も、まったく思い当たることがない、と答えた。

すると親御さんは携帯電話を俺に見せた。友人の携帯電話だ。
握りしめたまま息絶えていたそうだ。

遺書らしきものなかった。もしかすると、この携帯になにかメッセージがあるのでないか。
そう親御さんは考えて、俺に確認してくれとおっしゃった。

俺はちょっと奇妙な感じがしたが、親御さんに機能と操作を説明しつつ、なかを見た。

録音もなし、メモもなし。
次に発信履歴を見た。

そこには、●●●という名前がずらっと並んでいた。全部不在だった。

友人は、多分、自殺する直前まで●●●に電話を掛け続けていたんだろう。履歴のページがその名前で埋め尽くすまで。

さらに、着信履歴を見た。
お前の名前があった。
俺は正直に、親御さんに説明した。

お前から友人に電話があり、しばらく会話した後、友人は●●●に電話を何度も掛けたがつながらなかった。

そして、友人は間違いを犯した。

その後、お前が友人に何度か電話を掛けた。とね。

親御さんに、お前のことと、●●●について聞かれた。俺は知っていることを全部教えた。

●●●は何のことかわからなかったから、わからない、と答えた…」

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