ネットに落ちてた怖い話
第32章 色街
婆さんの飲み屋は私の上がった店の2軒隣にあった。
店の中には客らしい片腕の小汚い爺さんが1人いるだけだった。
婆さんに勧められるまま私はかなりの量のビールを飲んだ。
酔いのせいだろうか、私はそれまでの出来事を話した。
婆さんは
「そういうこともあるさね。この街で命を落とした女は沢山いるからね。薬の打ちすぎで部屋で冷たくなってた女。逃げ出そうとして見せしめに殺された女。店の中で客に滅多刺しにされて死んだ女。あんたの言ってた店では確かガード下にまだ店があった頃に客に惚れた娘が散々貢がされた挙句に捨てられて首を括って死んでた事があったよ。ここはそういう女の恨みの詰まった土地だよ。全部ぶっ壊して更地にしたって消えやしないよ」
と忌々しそうに語った。
後数年もすれば、あの街は跡形もなくなって、ああいう場所だった事も忘れ去られるのだろう。
あの街の「怨念」も人々の記憶と共に消え去るのだろうか。
私があの街に足を運ぶ事もないだろう。
私は酔いで重くなった足を引きずりながら今は無き色街を後にした。
おわり
店の中には客らしい片腕の小汚い爺さんが1人いるだけだった。
婆さんに勧められるまま私はかなりの量のビールを飲んだ。
酔いのせいだろうか、私はそれまでの出来事を話した。
婆さんは
「そういうこともあるさね。この街で命を落とした女は沢山いるからね。薬の打ちすぎで部屋で冷たくなってた女。逃げ出そうとして見せしめに殺された女。店の中で客に滅多刺しにされて死んだ女。あんたの言ってた店では確かガード下にまだ店があった頃に客に惚れた娘が散々貢がされた挙句に捨てられて首を括って死んでた事があったよ。ここはそういう女の恨みの詰まった土地だよ。全部ぶっ壊して更地にしたって消えやしないよ」
と忌々しそうに語った。
後数年もすれば、あの街は跡形もなくなって、ああいう場所だった事も忘れ去られるのだろう。
あの街の「怨念」も人々の記憶と共に消え去るのだろうか。
私があの街に足を運ぶ事もないだろう。
私は酔いで重くなった足を引きずりながら今は無き色街を後にした。
おわり