テキストサイズ

貴方と私

第12章 真衣



「し…のは…ら…れお…。やま…さ…き…れん…。本当…は、嫌いだった…。大…嫌い…だった…。なのに…、好きに…なっちゃ…た…。全部が…大好き…なんだよ…。」

『零嗚、あれが真衣ちゃんの気持ちじゃない?』

「ん、俺さ、真衣の事、何にも考えてねかったんだな。」

『俺も。』

そんな話ししてたら、
また真衣ちゃんが話し始めた。

「初め…てが、れお…と…れんく…んで…よかっ…たよ…。怖かった…けど…、優し…かった…。でも…」

真衣ちゃんが涙を拭った。

「もうおしまい。何にも怖くないよ。何されてもいい。零嗚と蓮くんに迷惑かからないんなら。」

そう言った真衣ちゃんは、
いつもの真衣ちゃんではないような気がした。

『真衣ちゃん…?』

「蓮、迷惑ってなんだ。」

『…わからない』

「行くぞ。」

『どこに?』

「教室。」

『え?』

「真衣が戻ってくるだろ。」

『あぁ、なるほど♪』

俺らのこの考えは、
すごく、甘かった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ