こうするしかなかったんだ
第11章 期間限定同棲
そんな葉月の母の言葉に絶句する壱聖。
それは悔しくも認めざるを得ない事。
壱聖はこれ以上食い下がるのは子供っぽいだろうとは思いつつ、代替案を考えた。
「それなら。来れる時はここで勉強させて下さい」
頭をさげる壱聖に、葉月の母は頷く。
葉月は、母と壱聖の自分を想う気持ちに心が大きく揺さぶられると同時に、情けなくなる。
私はただ、守られたいと思うばかりの子供なんだ。
私のせいで傷つく人がいるというのに。
自分が傷つく事を一番に恐れていた。
私は…そんな風に先輩に思われているんだ。でも私は?
私は…先輩を守りたい…??