こうするしかなかったんだ
第12章 苦悩
眠る葉月を横目に、壱聖は自分のことを好きだと言った女、横江史奈にメールをした。
レスポンスの早さからまだ自分に気持ちがあると確信する。
史奈は壱聖に彼女がいる事も知っていたし、割り切るにはちょうど良い。
すんなり会う話になり約束を取り付けた。
性欲を満たす確約が取れたような物…その安心感から葉月を見ても少し心が穏やかになる。
そう。
葉月とはこういう穏やかな気持ちで付き合っていきたいんだ。
この心を保つためなら、今からやろうとしていることは仕方ないんだ。
うっすらと目を覚ました葉月に、壱聖は穏やかな笑顔を見せた。