こうするしかなかったんだ
第4章 初めてのお泊まり
別々にお風呂に入り、部屋に戻るとお母さんが布団を敷いてくれていた。
葉月と姫葵はなんだかお互い気まずくて、布団に入っても会話することがなかった。
そしてそのまま朝を迎えてしまった。
用事があるから、朝食を食べたら帰ると姫葵が言った。
駅まで送ると言ったけど、あっさり断られた。
丁寧に挨拶をして姫葵は帰っていった。
「ふぅ…」
お母さんはため息をついた。
「ごめん、疲れた?」
「ううん、違う違う。」
リビングのソファに座る。
「葉月…」
お母さんは言葉にするのを躊躇っている様子だったから、葉月は先に言うことにした。
「お母さん、私は大丈夫だから。」
お母さんにお茶を淹れる。
「ありがとう」
お母さんはまたため息ついている。
「お母さん…今日は母の日だし。私がご飯作るね!何が良い?」
「う〜ん…そうだなぁ…でも昨日の残りがまだあるしなぁ」
「あ、そうだった…。」
何をしたらお母さんは喜ぶんだろう。
「葉月が幸せならお母さんも幸せ〜!」
そう言いながらお母さんは私を抱きしめてくれた。