こうするしかなかったんだ
第5章 告白
寝る直前に布団にもぐりながら姫葵は奏太にメッセージを送った。
すぐ返事があり、会うことになった。
会って、葉月の連絡先くらい直接自分で聞けって言ってやる。
会わずにメッセージ送れば済むことなのに、姫葵は会うことを選んだ。
駅前のカフェで待ち合わせをした。
奏太は時間より前にちゃんと来た。
それだけ葉月のことを知りたいのかと思うとイラっとしていた。
だから席に着いて早々、奏太を叱責した。
奏太は良い感じに凹んでいて、姫葵のプラン通りにいっている。
散々けなし、落としたところで救いの手を差し伸べる。
この救いの手が私だから、男はすぐ掴んでくる。
そこまであと少し。
あと少しだったのに。
「なんか…ありがとう。情けないよな、俺。ちゃんと自分で聞くよ」
おいおい。何言ってんだよ。ポジティブに捉えてんじゃねぇよと心の中で毒を吐く。
そうこうしているうちにレシートを掴んで立ち上がり、店を出て行く奏太。
どこで間違えたんだ…
これまで狙った男を逃したことがない自信から、こんな結果は納得できない。
絶対に。
絶対に葉月にはあげない。
奏太は私の獲物だから。