こうするしかなかったんだ
第2章 入学式
新しい制服、新しい靴。
昨日は美容院で眉毛も整えてもらって、美容師さんに言われた通り髪の毛も丁寧に手入れした。
中学は髪の毛縛らなきゃいけなかったけど、今日からはおろしていける。
葉月はさらさらの天然ストレートの髪が唯一自分の好きなパーツ。
何度も何度も鏡の前でチェックした。顔を近づけてみたり、くるくる回ったり。
そして最後に、ドキドキしながらピンクの色付きのリップを唇にのせた。
『私じゃないみたい…!』
葉月はドキドキが止まらず、なんだか涙が出そうなほどだった。