こうするしかなかったんだ
第5章 告白
「先輩、お母さんもう着いたみたいです」
「そっか。どこに居るって?」
「東門から入った駐車場みたいです」
「じゃそこまで行くよ」
何にも言わず葉月の荷物を持ってくれる先輩。
それなのに…お母さん。なんで正門じゃないの?東門だとあっという間なんだけど!って心の中でお母さんを責めてたらもう見つけてしまった。
「葉月、大丈夫?」
お母さんが近づいてくると先を歩いている先輩の前で立ち止まった。
「葉月ちゃんのお母さんですか?僕、早川壱聖と言います。一緒に居る時に怪我をさせてしまって…すみません…」
「そんな…頭上げてください。この子ドジだからどうせ自分でぶつけただけですよ」
お母さんさすが!よく分かってる!
「葉月の荷物まで持ってきて下さって、ありがとうございます。」
完全に私を無視して先輩とお母さんは車に向かい、私の荷物を車に載せた。
「良かったら早川さんも近くまで乗って行ってください」
「いえ、僕家近いんで大丈夫です」
「それなら尚更乗って行ってください」
お母さんが助手席のドアを開けて待っているので、断りづらかったのか先輩は車に乗った。だけど何故助手席?お母さんの隣?腑に落ちないけど…仕方ない。
私は後部座席に乗り込んだ。
先輩の指示通り道を進み先輩の家について、お母さんと私は丁寧にお礼を言って、帰宅した。
帰宅途中の車でお母さんからの尋問に負けて、すべて白状してしまう葉月だった。