こうするしかなかったんだ
第5章 告白
「葉月ちゃん、連絡先交換しよう」
保健室から出てお互いのスマホを出して連絡先を交換した。
「足痛くない?送っていくよ」
「大丈夫です。母が仕事帰りにお迎えに来てくれるって言ってたので…」
「そっか、残念。」
送りたかったってこと?!
先輩の言葉一つ一つにいちいち反応してしまう。
「お母さん来るまで一緒に待つよ。荷物取りに行かないとね。俺下駄箱で待ってるから行って来なよ」
教室まで荷物を取りに行き急いで下駄箱へ向かう途中で咲希ちゃんに捕まった。
「良かったね」
「なにが?」
「葉月ちゃん、分かりやすい」
「えーまた〜?」
「うそうそ。先輩から葉月ちゃんのこと相談されてたから、2人が両想いなのは知ってたの」
じゃあどうしてって思ったけど、きっと咲希ちゃんは私のために黙っててくれたんだと思った。
結局、先輩が告白してくれたから私は勇気をあまり使わなかったけど…咲希ちゃんが居なかったらこんな風に前に進めなかった。そう思ったら体が勝手に動いて咲希ちゃんにハグしながら、ありがとうって伝えていた。
そしたら、咲希ちゃんは背中をトントンってしてくれて、それが心地良かった。
「先輩待ってるんじゃない?」
「あ!そうだった!今日連絡するから!またね!」
階段を駆け下りながら咲希ちゃんにバイバイして、下駄箱へ向かった。
「そんなに走ったら危ないから」
少し怒られるけど、もう夢見てるみたいで。
そんな時葉月のスマホが母の到着を告げた。