こうするしかなかったんだ
第6章 盲目
このドキドキは苦しくなるほどだった。
慣れる日がくるのだろうか。
慣れてしまったらどうなるのだろうか。
高校生での恋愛なんて、人生における通過点だと思っていたけど。
そうならなきゃ良いな、なんて。
超がつくほど現実的だった葉月が夢みたいなことを願う。
結婚はスタートだと思っていたのに、自然とゴールへとすり替えてそこへ向けて夢を見る。
ずっととか永遠とか、女子は大好きだけど。
そんなものは存在しないと頑なな葉月だったけど。
自分だけはそうじゃないと心のどこかで思っていた。
嫌われたくない気持ちが最優先になり、自分の本当の気持ちに蓋をし、相手に合わせる。
まさに初めての恋をした女の子が陥りがちな恋が始まっていた。