
こうするしかなかったんだ
第8章 突撃
「おい、いち!」
壱聖姉が声をかけてくれる。
「あ、いや、すげ〜な…かわいい」
壱聖が褒めてくれたのは嬉しいけど、逆に恥ずかしくって顔をあげられなくなる。
「私出かけるからさ、いち後よろしくね」
そう言いながら、壱聖姉はカバンをさばくっていた。
「あったあった!」
真新しいリップをそのまま葉月に渡す壱聖姉。
「誕生日プレゼント」
「誕生日?」
「そんな、いただけません…」
「今葉月ちゃんが塗ってるリップだから…ね?ほら私準備するから出てよ〜」
リップを持たされたまま、壱聖と葉月は部屋から追い出された。
