こうするしかなかったんだ
第8章 突撃
空のあまりの青さに胸が痛くなる。
感傷的になるのはやめよう。浸っていても何も変わらない。
飲み干したジュースの缶をゴミ箱に入れたところで誰かに声をかけられた。
知らない男の子たちだったから、怖くなって無視して早足で立ち去ろうとするけど距離が縮まる一方で、あっという間に前が見えなくなってしまう。
本当についてない。
携帯はないし、暑さのせいでほとんど人が歩いてないし。
「葉月ちゃん?」
壱聖のお姉さんだ!
「あれ?いち、すぐ追いかけてったのに会わなかった?」
「はい…」
掴まれていた腕が自由になった。
「この子、弟の彼女なの」
「すいませんでした…」
男の子たちは怖いものを見るような顔で怯えながら去っていった。
「お姉さんすみませんでした。ありがとうございました」
深々と頭を下げる葉月。