こうするしかなかったんだ
第9章 誤算
姫葵は奏太に狙いを定め、夏休み中にオトすと決めていた。
恐らくあと少し。
心までは奪えないかもしれないけど、体からならきっとイケる。
これまでの男もそうだった。
結局、高校生の男子は女子の心よりも体を欲する。姫葵みたいに可愛い子に求められれば、断る奴なんていない。
好きじゃなくたって、可愛い女の子を見たら1度で良いからヤッてみたいって男子の気持ちを、姫葵は充分に分かっていたし、それを利用していた。
今日こそ決めてやる。
鏡を見ながらいつも以上にメイクに時間をかけた。