こうするしかなかったんだ
第9章 誤算
さて、これからどうしよう。
姫葵は奏太に抱きつきながら、今日の流れを思案していた。
確実にモノにするために。
キスだけ?
胸くらいは触らせる?
最後までヤッちゃう?
どこまでが効果的な男かまだ分からないけど、キスだけでも葉月に対して後ろめたく思うだろう。
「ごめん…帰るよ」
頭上から声がした。
考えることに必死になるあまり、何を言われたのか分からなかった。
奏太は自らの体から姫葵を離した。
「ごめん。帰る」
立ち上がる奏太の服の裾を掴む。
「待って!」
姫葵も立ち上がり強引に奏太にキスしようとした。