こうするしかなかったんだ
第10章 奏太の告白
「オレオレ詐欺かと思った〜!」
三浦の笑う声が聞こえる。
会いたい。素直にそう思った。
「ケータイ分かんなかったからさ」
「あれ、伝えてなかったっけ?」
「うん。今から言うからさワン切りとりあえずしてよ」
「うん」
番号を伝えるとすぐかかってきたけど、念のため数字を読んで葉月に確認してから登録した。
「で?どうしたの?」
「あぁ、うん。暇だったら会えないかなって」
「何かあったの?」
「クラス会のことで」
とっさに嘘をついたけど、葉月は疑いもせず了承した。近くの公園で待ち合わせをして電話を切った。