こうするしかなかったんだ
第10章 奏太の告白
奏太と会うことは葉月にとって緊張することではなくなっていた。
普通に友人に会う感覚だ。強いて言うなら、少しだけ先輩に後ろめたい気持ちもあるけど。
公園に着くと奏太は日陰のベンチに座っていた。
もう夕方のせいか子供たちもいなくて静かだ。
葉月は奏太をとりまく雰囲気が何だか変わったような…そんな気がした。
男らしくなったと言えばそうなのかもしれない。
「久しぶりだね」
「うん」
「三浦なんか感じ変わった」
「そうかなぁ〜」
「かわいくなった」
奏太は穴があきそうなほど葉月を見つめた。
想いが伝わるように。