レット・ミー・ダウン【ARS・NL】
第3章 ブラックコーヒー【和也】
「あーっ、もうこんな時間!」
寝癖を直してたら、思ったより時間がかかってしまった。
「長い時間鏡の前でにらめっこしてるからデスよ。寝癖のまま行けばいいのに。」
和也は、自分の寝癖頭をポリポリ掻きながら言った。
「和也の仕事場とは違って、普通の会社にはヘアメイクさんはいないのよ!」
私は鞄をつかむと靴をはいた。
「じゃあ和也、戸締りお願いね! 行ってきます!」
私は駅に向かって走り出した。
改札を駈けぬけ、何とかいつもの電車にすべり込んだ。
「間に合った…!」
ほっと息をついた瞬間、気づいた。
「お弁当忘れた…。」
私は節約のため、毎日お弁当とコーヒーを持って会社に行く。
今朝はあわてて、それをダイニングのテーブルの上に忘れてきた。
「あー、最悪。」
それからというもの、ついてないことばかりで。
在庫が合わなくて倉庫を探し回ったり。
お昼ご飯を買いに行ったコンビニのポイントカードを忘れたり。
締め日だというのに、ギリギリに回された伝票の束のせいで残業するはめに。
帰宅したのは、終電より2〜3本前の電車だった。
寝癖を直してたら、思ったより時間がかかってしまった。
「長い時間鏡の前でにらめっこしてるからデスよ。寝癖のまま行けばいいのに。」
和也は、自分の寝癖頭をポリポリ掻きながら言った。
「和也の仕事場とは違って、普通の会社にはヘアメイクさんはいないのよ!」
私は鞄をつかむと靴をはいた。
「じゃあ和也、戸締りお願いね! 行ってきます!」
私は駅に向かって走り出した。
改札を駈けぬけ、何とかいつもの電車にすべり込んだ。
「間に合った…!」
ほっと息をついた瞬間、気づいた。
「お弁当忘れた…。」
私は節約のため、毎日お弁当とコーヒーを持って会社に行く。
今朝はあわてて、それをダイニングのテーブルの上に忘れてきた。
「あー、最悪。」
それからというもの、ついてないことばかりで。
在庫が合わなくて倉庫を探し回ったり。
お昼ご飯を買いに行ったコンビニのポイントカードを忘れたり。
締め日だというのに、ギリギリに回された伝票の束のせいで残業するはめに。
帰宅したのは、終電より2〜3本前の電車だった。