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レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第3章 ブラックコーヒー【和也】

「ただいま…。」

部屋に帰ると、和也はもう帰っていた。

「おかえり。遅かったデスね。」

「もう、今日は散々だったよ! 営業部の課長の伝票のせいで残業よ!」

私は怒りを和也にぶちまけながら、キッチンに向かい冷蔵庫から缶ビールを出して開けた。

「そりゃあ、災難でしたネ。」

「ほんと、マジ勘弁よ! それにコンビニのポイントカー…。」

ふと、シンクを見ると、空になった弁当箱が洗い桶につけられていた。

「和也、このお弁当…。」

「あ、それ、いただきましたヨ。」

和也は平然と言った。

「いただきましたって…、どこで?」

和也は朝はいつも食べないから、お弁当を食べるとしたら…。

「仕事場で食べましたケド、何か?」

「仕事場って…、お弁当持って行ったの?」

私は、缶ビールをテーブルに置いた。

「楽屋で食べましたヨ。局のお弁当はボリュームがありすぎて…、○○のお弁当は量がちょうどよかったデスヨ。」

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