レット・ミー・ダウン【ARS・NL】
第3章 ブラックコーヒー【和也】
「お弁当、美味しかったデスヨ。」
「うん…。」
「ハンバーグも美味しかったデスヨ。」
「それ、冷凍食品…。」
和也は、私の髪をなでた。
「最近の冷凍食品はすごいデスネ。あと、ポテトサラダも。」
「それ、スーパーのお惣菜…。」
「ククッ、どこのスーパーデスか? また買って来てくださいネ。」
和也は、泣きじゃくる私の鼻をティッシュで拭いた。
「ホント、○○は手がかかるお嬢さんだコト。」
和也は、そう言うとわたしの頬を両手で包み、優しくキスをした。
✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎
「あー、もうこんな時間! 和也、戸締りお願いね!」
「ハイハイ、あと10分早く起きればいいのに。」
私は鞄をつかんで、靴をはく。
「コーヒー、ダイニングテーブルの上に用意してあるからね!」
「了解。」
私は駅まで走って、何とかいつも電車にすべりこんだ。
「間に合った…。」
あれから、毎朝の習慣がひとつ増えた。
和也のマグボトルに、毎日コーヒーを用意する。
『さすがに毎日お弁当は無理だケド、コーヒーなら持って行けますヨ。』
和也は、こう続けた。
『その方が、コーヒー代が浮きますからネ。そうそう、ワタシの分はブラックでお願いしますヨ。』
だから、私は毎朝2本のマグボトルを用意する。
寝坊しても、寝癖がひどくても。
倹約家で手がかかるお坊ちゃんのために、毎朝ブラックコーヒーの入ったマグボトルを用意する。
砂糖の代わりに、ほんの少しの愛をプラスして。
【ブラックコーヒー・和也】
「うん…。」
「ハンバーグも美味しかったデスヨ。」
「それ、冷凍食品…。」
和也は、私の髪をなでた。
「最近の冷凍食品はすごいデスネ。あと、ポテトサラダも。」
「それ、スーパーのお惣菜…。」
「ククッ、どこのスーパーデスか? また買って来てくださいネ。」
和也は、泣きじゃくる私の鼻をティッシュで拭いた。
「ホント、○○は手がかかるお嬢さんだコト。」
和也は、そう言うとわたしの頬を両手で包み、優しくキスをした。
✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎
「あー、もうこんな時間! 和也、戸締りお願いね!」
「ハイハイ、あと10分早く起きればいいのに。」
私は鞄をつかんで、靴をはく。
「コーヒー、ダイニングテーブルの上に用意してあるからね!」
「了解。」
私は駅まで走って、何とかいつも電車にすべりこんだ。
「間に合った…。」
あれから、毎朝の習慣がひとつ増えた。
和也のマグボトルに、毎日コーヒーを用意する。
『さすがに毎日お弁当は無理だケド、コーヒーなら持って行けますヨ。』
和也は、こう続けた。
『その方が、コーヒー代が浮きますからネ。そうそう、ワタシの分はブラックでお願いしますヨ。』
だから、私は毎朝2本のマグボトルを用意する。
寝坊しても、寝癖がひどくても。
倹約家で手がかかるお坊ちゃんのために、毎朝ブラックコーヒーの入ったマグボトルを用意する。
砂糖の代わりに、ほんの少しの愛をプラスして。
【ブラックコーヒー・和也】