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レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第7章 ビスケット【雅紀】

今日も一日働いた。

部署の人たちにお疲れの挨拶をして、自転車置場に向かう。

今日は商品の入庫が多くて、荷受けが大変だった。

在庫確認をしてたら数が合わなくて探し回ったら、誰かが荷物を違うロケーションに置いていた。

おかげで今日はくたくた。

こんなに働いてるのに、パートの時給はなかなか上がらない。

今から小学生の息子を学童保育所に迎えに行って、スーパーで買い物して、晩ご飯の支度。

洗濯物取り込んで、息子の宿題見て。

あ、そうだ。

中学生の娘の、部活の書類の記入も今夜しなくちゃ。

「あー、晩ご飯なにしようかな。」

ひとり、そんなことをつぶやくと、隣に人影が見えた。

雅「俺、今日は麻婆豆腐の気分かな!」

振り向くと、サラサラの茶色い髪が風に揺れた、細身の長身。

◯「相葉くんも、もう上がり?」

雅「うん、今週は早番だから、5時上がり。」

相葉くんは、原付バイクにキーを挿し、私と並んで押して歩いた。

相葉くんは、同じ部署の社員。

明るくて、気づかいができて、みんなの人気者。

ひまわりみたいに、 みんなを明るくする。

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