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第11章 かわいいひと〜母ちゃんの入院〜
心臓に悪い。
櫻井の車でそこへ向かった。
部活中の俺を呼びに体育館に来た櫻井。
「お母さんが倒れたと連絡が来た。
一緒に病院に行こう。」
慌てて帰る準備をして櫻井が待ってる教員の駐車場に向かった。
母ちゃんの勤める病院に行くのとは違う道に俺が、あれ?、と言うと櫻井は答えてくれる。
「ごめん、言ってなかったな。
お母さん、買い物の途中だったって。
◯◯病院って。」
「…うん。」
それだけ言うので精一杯。
少し呼吸がしづらい。
「相葉?
電話では過労って話だったから。
余り気をもむなよ?」
信号で止まった時に肩をポンと叩いてくれた。
ああ。
すごく緊張してたのが自分でわかる。
深呼吸して櫻井の方に顔を向けて弱々しくも笑顔を作って。
「先生?大丈夫だよね?」
櫻井は俺と同じように少しだけ微笑む。
「大丈夫。」