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第12章 かわいいひと〜別れ〜
朝起きたら相葉は犬コロみたいに俺にしがみついてた。
まんまるにでかい図体を縮めて。
不安だったんだろうな。
たったひとりの肉親のお母さんが倒れたってのは相当キタはず。
俺はなんにもしてやれないかもしれない。
でも一緒にいてやることはできる…かな。
内緒で…ね。
相葉の頭に顎を乗っけて体を寄せた。
腕の中に閉じ込めるように。
むにゅむにゅいって目を開ける。
「おはよー?」
「…おはよ…」
「……」
「先生?」
「んー?」
「もうちょっとだけ。」
「ん。
もうさ。俺には甘えていいよ。
父親にだって、兄貴にだってなってやる!」
「…へへっ。父親はヤダ。」
「じゃあ、にいちゃんな。」
「にいちゃんも。
ぃゃ…」
「…?ん?」
「…なんでもない…。」
ぎゅうぎゅう抱きついてきて思わず笑ってしまう。
なんでだろ。
ずっとこうやって、じゃれあっていたいとか思うのは。