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第14章 かわいいひと〜葛藤〜
せんせー
振り返るけど、そこにあいつの姿はなくて。
やばい、やばい。
こわい、こわい。
なにこれ。
耳に残ってんの?
くるりとイスを机に戻して頬杖をついてぼーっとしてたらかすかに笑い声がして、もう一度、今度は顔だけ入り口に向けた。
もうぬか喜びはしたくない。
ぬか喜び…?
?
「にの?」
大野さんがこちらへクスクス笑いながら近づいて来た。
「大野さんか。」
「なんだよ。」
「別に…なんも…。」
「今、相葉が来たって思ったでしょ。」
う、図星。
新学期になってからも相変わらず相葉は、ちょこちょこと俺のとこへやってくる。
もう楽しみにしてる自分がいる。
なんなら来ない日は寂しい。
あいつに会えない日は、
…寂しい。