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第18章 かわいいひと〜ひとつずつ〜
寒い寒いとコートやマフラーが手放せなかったのに、いつの間にかそれらで身を包むことはなくなり桜の舞い散る季節も過ぎ去った。
相葉が3年生になって少し経った頃、例の学校の説明会に行ってきたと報告に来てくれた。
ちょっと興奮気味に次々に見たことや知ったことを話す。
「馬に乗せてもらった。」
「へぇー、すげぇ。」
「ちょっと怖かったけど。」
郊外にあるその学校はいろんな動物がいて広い校内、まだ半分も回れてないと言う。
「俺、そこ行ったら何匹触れるかな。」
「あ。俺だって、なんでもオッケーじゃないからね?」
「え、そうなの?」
「そりゃそーでしょ。
やっぱ普通に犬が好き。
柴犬が1番好き。」
「俺も!」
ソファに座ってた相葉が俺のとなりに立ち頭を撫でた。
「この柴犬が1番。」
……
「先生、柴犬に似てるよね?」
「…よく言われる。」
「やっぱりー!」
くしゃくしゃと頭を撫でられて俺は顔が赤くなっていくのが自分でわかった。