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第29章 かわいいひと〜波長〜



そのまま二人、体を寄せ合って眠りについた。

俺は幸せで幸せでふわふわ。

目を開けて雅紀の寝顔を見たいとも思うけど、目を閉じたまま隣りのあたたかい体をまさぐるのも気持ちいい。


やっぱりこのままがいいや。


目を閉じて雅紀の腰まわりに手を絡ませる。

雅紀は時々寝ぼけて、


「んー?」


って言って、むにゃむにゃと俺に抱きついて静かになる。

俺も少しうとうとしながら何度も雅紀を引き寄せる。


雅紀…


このままずっと一緒にいれたらいいのにな。

物分かりのいい大人でいたいし、応援してる。


だけどこんな幸せ知ったから。


ふたりの気持ちよさを覚えたから。


離れるのは辛い。


つらい…


はーっ…


溢れたため息に一緒にいるのに、ダメだな、と隣りの安らかな寝顔をもう一度うっすらと眺めて深く目を閉じた。

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