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第33章 かわいいひと〜強くなる〜



ある晴れた日の午後。


レオを連れ出していつもの川沿いへ。

早くもスタミナ切れで水分補給を言い訳にすっかり座り込んでしまった俺。

目の前では全力で遊ぶ犬一匹と青年一人。

ああ。

いい笑顔。

くしゃっと顔を歪ませて大きい口開けて笑ってる。

さりげなく携帯で撮影して隠す。

なんで恥ずかしいのかはわからないけど。

「休憩ーー。」

俺の隣りに寝そべる雅紀にペットボトルを渡すと勢いよく飲み干す。

その上下する喉仏に吸いつきたいとか俺の変態が垣間見えてきて苦笑い。

「なに笑ってんの!」

「お前にキスしそうになったから。」

即答した俺に雅紀もニヤニヤ。

「それわかる。葛藤だよね。」

「…そ…なの?」

「俺はいつも戦ってるよ!」

ペットボトルを置くためか俺の横にある荷物に触る雅紀は一瞬だけ俺の頭にキスをした。

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