箱……捌
第4章 【強者】の選択
―――――…ん……ン…
身体が…重い―――――…
あのまま……
寝ちゃったみたいだ…
今…何時だろう――――…
授業…サボッちゃった…な…
「ん…――――――…ぇ…?」
目を開けると……
俺は、教室の自分の席にいた…
あれ?いつ…更衣室から…戻ってきたっけ―――――…
俺は、ぼんやりとする視界をど〜にか…正常に戻そうと…目を擦ろうと手を動かす―――――――…
が―――…手が…動かない…
「ぅ…う?」
すると…寝ぼけていた頭が…やっと回転し始める…
そう…動かないのは…手だけでは無かった――――…
両腕、両足はもちろん…
身体すら…動かない…
「ぅ―――――…んん?」
ガタッ!!と、自分の身体を見ると…
ガムテープで…全てが椅子に縛り付けられている!
「んっ!!んんん!!」
口も!!ガムテープで…塞がれ!声が出せない状態!!
俺は――――…また…あの恐怖を感じた…
そう…【弱者】の…恐怖…
「ん!ん゛?!」
「―――――やぁ…桜井君…目が覚めたかい?」
俺の目の前には――――…
【強者】が…黒い笑いを俺に向けていた…