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異彩ノ雫

第286章  四ノ月 Ⅲ ②




今宵の風は

かすかに潤んで

肩に 睫毛にからみつく



星を隠した雲を縫い

夜間飛行の灯りがわたる



どこからか

花の寝息が聞こえてくる

さ迷う妖精の羽音までも…



静かすぎる夜は

眠りの国が 遥かに遠い







【眠り草】


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