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異彩ノ雫

第40章  十ノ月 ⑤




雨音と追憶が
雫となって頬をつたう

ひとつ…ふたつ
……とめどなく…

噛んだ唇に鉄錆の朱色がにじむ

深い夜のしじまの中
グラスの中で氷が震える
堪えた嗚咽のかわりのように

こんな日は
あなたの言葉を胸に灯す







【雫】


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