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異彩ノ雫

第49章 十一ノ月 ⑤




あの日と同じ店 同じテーブル
もう
何本めかの煙草が
煙になった

あの頃は
待つことさえも楽しくて
それでも
待ち続けていたことを隠すため
灰皿を何度も換えていた


待つことは
なくなってしまったのに
同じことを繰り返す

約束をしなくても会えた日々
遠去かる…

座る人のない席を見つめ
君の笑い声を聞こうとしている…







【テーブル】


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