テキストサイズ

異彩ノ雫

第68章  二ノ月 ②




─守り刀 ひと振り
そなたにあつらえた
己の誇りを守る為のみに
抜くがいい─


いにしえ
授けし主の声が束の間をすり抜ける

華奢な手に余る重さと
張りつめた冷たさに
その身はすくんだろうか…

黒漆に朱糸巻のこしらえ

受けた姫は何を胸に誓ったろうか…



見るものの顔を映し
ひたすら静かな輝きは
遥かな時を物語る







【小太刀】



ストーリーメニュー

TOPTOPへ