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異彩ノ雫

第75章  三ノ月




無窮の流れのひと滴を

永遠と違えた日々は

朝露の夢


ふいに

陽炎めいて立ち上る

愛しき面影が胸を濡らす



帰らざる時への呼びかけは

こだまを残すこともなく

ただ

しじまの中に消えゆくばかり


空の色は変わらぬものを…







【去春】


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