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異彩ノ雫

第77章  三ノ月 ②




あなたに春を届けたく

早咲きの桜ひと枝に

想いをしるした文ひとつ…



けれど手渡すすべはなく

窓辺に寄りて洩らすため息

月が揺れる



せめてと 夜風に差し向ける

花のひと枝匂いたち

恋しき胸へと漂うは

春の宵の夢心地…







【春宵】


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