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異彩ノ雫

第80章  恋文 (二)




Amore mio…


夜毎の愛撫は
指に熱く絡みつき
幻の頬を 首すじを 肩を
なぞるように 宙をさ迷うのです

ああ あなた…

あなたを奪うことができるなら
魂さえも差し出すものを

今宵 とけあいながら
夜の底へ沈んでしまいましょう
わたしたちの他誰もいない
芳しい闇の中へ…







(了)






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