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異彩ノ雫

第81章  三ノ月 ④




降り始めの雨は

肩に冷たく やるせなく

頬で受けては 涙を紛らす



けれど

なぜだか

このまま雨に抱かれたく…



躊躇いがちに

綻びかける木蓮の

雫をはらい 立ち尽くす







【通り雨】


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