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異彩ノ雫

第84章  四ノ月




私ね…



呟く君の唇に耳を寄せれば

細かな雫が髪にからんで

小さく揺れる



つづく言葉は雨音に溶けたのか

ひとつ傘の中

優しいしじまが舞い降りる



どうかこのまま…

冷えた指先を繋ぎながら

胸の中で願いをかける







【ふたり】


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