テキストサイズ

異彩ノ雫

第84章  四ノ月




久しぶりだな…
とも言わず
隣に座る君は あの日のままで
時間さえ軽々と超えてみせる

バーボンロックも変わることなく
時おりグラスを弾く長い指が
紫煙の流れに白く浮かぶ

そっと
鋭角な横顔をうかがえば
思いがけず目元は優しく柔らいで
それだけが
過ぎた月日を物語る

今でも君は旅の途中か…

まとう自由が
薄明かりに 色濃く浮かぶ







【ボヘミアン】


ストーリーメニュー

TOPTOPへ